機械メーカーのS社では、製品Xに組み込むソフトウェア(以下、Xソフトという)の開発作業A〜Hを表1のように計画した。
ここで、前作業とは当該作業を開始する前に終了していなければならない作業のことであり、各作業は前作業が終了すればすぐに開始する。
各作業に掛かった費用は、各作業完了時に計上する。
表1 Xソフト開発の作業
作業 |
日数 |
費用 |
前作業 |
A |
2 |
5 |
なし |
B |
3 |
7 |
A |
C |
4 |
4 |
B |
D |
4 |
5 |
A |
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作業 |
日数 |
費用 |
前作業 |
E |
5 |
6 |
D |
F |
2 |
5 |
A |
G |
6 |
6 |
D, F |
H |
7 |
12 |
C, E, G |
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図1は、表1に基づて作成されたアローダイアグラムである。
図1 Xソフトの開発作業のアローダイアグラム
[ストラテジ]
問85 |
Xソフトの開発が終了する日は、開始から最短で何日目か。
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[マネジメント]
問86 |
Xソフトの開発が表1のとおりに進んだ場合、開始してから10日目の作業完了時までに計上する費用の累計を表すグラフとして、適切なものはどれか。 |
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[マネジメント]
問87 |
作業Hは、他の作業に比べて日数が多い。
作業Hの内容を確認したところ、費用を現在の12よりも多く負担することで、作業をH1〜H3の三つに分割できることが分かった。
分割後のそれぞれの作業の回数、費用及び前作業は表2のとおりである。
このときの費用と効果に関する記述として、適切なものはどれか。 |
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表2 分割後のそれぞれの作業の日数、費用及び前作業
作業 |
日数 |
費用 |
前作業 |
H1 |
3 |
5 |
C, E, G |
H2 |
3 |
6 |
C, E, G |
H3 |
2 |
4 |
H1, H2 |
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ア |
費用を2追加することで、作業Hを2日間短縮できる。 |
イ |
費用を2追加することで、作業Hを3日間短縮できる。 |
ウ |
費用を3追加することで、作業Hを2日間短縮できる。 |
エ |
費用を3追加することで、作業Hを3日間短縮できる。 |
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[マネジメント]
問88 |
前作業が終了していないことが原因で、作業Hの開始が1日遅れるという状況が発生した。
遅れた原因と考えられるものとして、適切なものはどれか。 |
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ア |
作業Cの終了が3日遅れた。 |
イ |
作業Cの終了が4日遅れた。 |
ウ |
作業Fの終了が1日遅れた。 |
エ |
作業Fの終了が2日遅れた。 |
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答え 問85 エ 問86 イ 問87 ウ 問88 イ
【解説】
問85 |
アローダイアグラムからもっとも日数の長い作業順(クリティカルパス)を探すと、作業A→作業D→作業G→作業Hの19日(エ)である。 |
問86 |
問題文に「各作業に掛かった費用は、各作業完了時に計上する」とあるので、アローダイアグラムから最初に行う作業Aの費用[5]を計上するのは作業Aが完了する2日目である。
次に作業B、D、Fを同時に開始し、作業Fが4日目に完了し費用[5]を計上し、5日目に作業Bの費用[7]、6日目に作業Dの費用[5]、9日目に作業Cの費用[4]、11日目に作業Eの費用[6]、12日目に作業Gの費用[6]、19日目に作業Hの費用[12]を計上するので、これを図にまとめると
(イ)になる。 |
問87 |
表2から作業H1と作業H2は並行して実施することができるので、分割後の作業Hの必要な日数は5日になり、費用はH1〜H3の費用の和の15であるので、効果の説明としては費用を3追加することで、作業Hを2日間短縮できる(ウ)になる。 |
問88 |
作業Hの開始日が1日遅れる条件は
- クリティカルパスの作業A、作業D、作業Gが1日遅れる。
- 作業Eが作業Gより1日長くなる、2日遅れる。
- 作業Fが作業Dより1日長くなる、3日遅れる。
- 作業B、作業Cが作業D→作業Gより1日長くなる、4日遅れる。
場合である。 |
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